令和7年度 きのこ栽培勉強会報告

開催日 2026年3月15日
場所 橋本啓一さんの「あすわの」
報告者 福島隆一

令和7年度 きのこ栽培勉強会報告

開催日開催日2026年3月15日(日)2026年3月15日(日)開催場所開催場所橋本啓一さんの「あすわの」橋本啓一さんの「あすわの」報告者報告者福島隆一福島隆一 aaa 今年度のきのこ栽培勉強会も橋本啓一さんの(あすわの)を使わせて戴き実施しました。午前中にサンドイッチ法式による短木接種作業を行い、午後はコナラ原木におがくず種菌を接種しました。なお、今年度は仮伏せをしない栽培方法を行う事にしました。 開会の挨拶 開会の挨拶開会の挨拶 開会の挨拶 開会の挨拶開会の挨拶 《種菌の準備》 種菌作りは、1月末から2月初めの頃に行いました。自宅には、いろいろな機械類が無いのですべて手作りの作業です。オガクズの種類は、各種キノコ栽培で使う広葉樹を使いました。培地栄養分は、殻付き圧片大麦と市販の米ぬかを1:1の割合に混ぜて使いました。種菌の種類は、シイタケが2種類、ヒラタケ、シロヒラタケ、ナメコ、ヌメリスギタケ、キクラゲ、アラゲキクラゲ等を作りました。 これらの種菌は、手作りで作った培養室に入れ、温度を20℃〜25℃に調節して培養しました。菌糸の生長は、ヒラタケ類が一番早く、850mlブロービンの場合は、2週間程でボトルに菌糸が蔓延します。次にシイタケ、ナメコが続きます。キクラゲやアラゲキクラゲが最後ですが4週間位で蔓延します。 サンドイッチ栽培用種菌の準備 サンドイッチ栽培用種菌の準備サンドイッチ栽培用種菌の準備 3月13日に種菌増量用オガクズ培地を作りました。広葉樹のオガクズ約26ℓに米ぬかを7.7ℓ添加し良く撹拌してから水を13ℓ程入れてよく混ぜます。含水率は70%程度にしました。桂木産業の3.3ℓNKポットに詰め、大型の寸胴釜に入れ、5時間程常圧滅菌処理して自然に冷やしました。 《サンドイッチ法による短木接種》 毎年同じような作業ですが、最初にシロヒラタケの短木栽培から行い、次にヒラタケ、ナメコ、ヌメリスギタケの順にサンドイッチ方法で作成しました。使った原木の樹種は、ヤナギ等です。これらの原木は、橋本啓一さんが各地から調達して集めて戴いた物です。原木は非常に重いので切り出しや運搬は、大変な作業です。切り出しの作業現場を体験していない方には大変さが判らないと思いますが、見えない所のご苦労について改めて橋本さんに感謝を申し上げます。 原木の玉切り作業 原木の玉切り作業原木の玉切り作業 サンドイッチ栽培作業中 サンドイッチ栽培作業中サンドイッチ栽培作業中 サンドイッチ栽培作業中 サンドイッチ栽培作業中サンドイッチ栽培作業中 サンドイッチ栽培作業中 サンドイッチ栽培作業中サンドイッチ栽培作業中 今年度は原木切り出しの際、僅かな気の緩みからチェンソーの刃が指に当たり、怪我をしてしまったとお聞きしました。何時、何処で怪我をするかわからないので作業では、十分注意をしなければならない事を、皆さんにも徹底したいと思います。 《シイタケの原木栽培》 今年度は、シイタケの原木栽培を行うときに使う発泡スチロール製のストッパーの代わりに、封蝋という商品を溶かして、接種したおがくず種菌の上に塗る栽培をする心算でおりましたが、前日に栽培道具を準備した時に、ストック用のおがくず種菌接種棒が見当たらず焦ってしまいました。細かい話ですが、接種棒は、使った後分解掃除をし、ばねの部分と鉄製の金属棒やネジ部分に給油しておかないと次に使う時に錆び付いてしまい、ひどい時には、全く動かなくなってしまう事も有ります。幸い、橋本啓一さんが、接種棒3本持っておりましたので、いつも使っている手持ちの1本と併せて、作業する事が出来ました。 昔からシイタケの原木栽培にこだわっているのは、原木栽培したシイタケが美味しいからです。市販の原木栽培品は、大きさや形が美しくないとお客さんが、買ってくれませんので、外見が大事になります。しかし、春先の寒い時期と乾燥する環境では、形が悪くても身が硬く締まった肉厚のどんこになり、この味が忘れられないのです。 《ナラタケの原木栽培》 今年度は、ナラタケのコナラ原木栽培も行ってみました。ご存知のようにナラタケは、地域によっては、大変好まれているきのこです。歯触りが良く、旨味と適度なヌメリが有ります。一度に大量に収穫できる所も重宝されてきた理由でもあると思います。秋田県では、サモダシと言う地方名で呼ばれ、秋に収穫したナラタケを塩蔵し、厳しい冬期の食べ物として昔から愛されて来たきのこです。 私は、熊谷農業高校時代に、オニノヤガラ(腐生蘭)の餌づくりの為にナラタケ菌糸の培養を行っていました。ナラタケの駒種菌を作り、コナラの小径木に駒打ちを行い、土中に伏せ込んでナラタケ原木を作ります。生徒が駒打ち作業をしてくれましたが、その際、シイタケの種駒を打ち込んでしまい、気づかないまま土中に伏せ込み、掘り起こすとすぐシイタケが発生したと言う体験が有りました。シイタケ原木を土中で培養しても栽培できることを初めて知った出来事でした。 《栽培方法の説明》 全ての作業が終わり、本日接種した短木や長木の栽培方法の説明を行いました。長いこと行ってきた仮伏せという培養方法を辞め、最初から本伏せする栽培を行って見る事にしました。自宅に持ち帰ったシロヒラタケ、ヒラタケ、ナメコ、ヌメリスギタケ等の短木培地を仮伏せ無しで9割程度地面に伏せ込む栽培方法を説明しました。 発生までの原木の管理について説明 発生までの原木の管理について説明発生までの原木の管理について説明 最初から地面に伏せ込んでしまい雑菌に汚染されないか?という質問も有りました。仮伏せ方法は、雑菌の少ない所で保湿し、原木内に雑菌が入って来ない内に、両木口に大量のきのこ種菌を塗り込み短時間に菌糸を蔓延させて菌糸の城を作ってしまい雑菌を寄せ付けない栽培方法です。しかしヒラタケやシロヒラタケの様に菌糸成長が早く丈夫なきのこは、保湿されている条件下では、他の糸状菌との競争に負けない事が多く、秋には、立派なきのこを作ります。ナメコの様に夏の高温に弱いきのこは、菌糸体が地中に埋まっている方が、保湿され、温度も低く保たれるので、生活し易い環境です。 ナラタケ原木については、完全に埋め込んでしまう培養方法を説明しました。ナラタケ菌糸は、地上の乾燥した環境では、他の糸状菌との競争に勝ち目が有りません。しかし高湿度で、酸素呼吸が難しい地中では、他の糸状菌と競争しても負けません。鎧に包まれた様な根状菌糸束を発達させるナラタケは、酸欠に成れば、根状菌糸束を地表面近くに伸ばし、そこから酸素を取り込み、他の細胞に送り届けることができる呼吸方法を発達させています。バクテリアの生息している環境では、多くの糸状菌は菌糸成長が妨げられますが、ナラタケの根状菌糸束は、バクテリアの海の中に平然と伸長して行きます。 シイタケ原木は、いつも通り仮伏せしてから、本伏せをする栽培方法で行う事にしました。 《ハナビラタケの販売》 今年度は、静岡県の島田市にある大井川電機という企業で手掛けているハナビラタケの栽培施設より、業者向けに販売している500g入りのパックを送って頂き、帰る前に買って頂きました。今も、栽培指導をしている企業ですのでハナビラタケのご要望が有る時には気軽にお声がけ下さい。 今年も皆様のご協力により無事に栽培勉強会が出来ました。あすわのを提供して戴き、原木調達、運搬、栽培の準備等何時もお世話に成っている橋本啓一様に厚くお礼申し上げます。有り難うございました。 文責 福島隆一

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