美の山公園観察会
| 開催日 | 2010年7月25日 |
| 場所 | 秩父郡皆野町・美の山公園 |
| 参加者 | 33名 |
| 報告者 | 宮井 |






















| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報告 | 宮井 正彦 |
今年でこの場所での定点観察会は、1997年スタート以来、14回目を数える。ホームページで公開された公式定点観察記録も11年目を迎えた。昨年までに観察同定された種類は227種に及びそのうち過去10年間で一回しか記録されていないものは10種に及ぶ。ここ数年20種前後が新たに追加されており、今年新たに同定されたものを加えると、同定種数249種、一回のみ確認された同定種数は128種にのぼる。
美の山は、アオミドリタマゴテングタケ、ニオイドクツルタケ、バライロツルタケ、ヒイロウラベニイロガワリなどの珍菌が多いこと、地形・樹種・気候等の環境的要因の多様性から発生種類が多いことなど、観察ポイントとしては、非常に恵まれている。また、多孔菌(広義)を除き、時期の関係で、夏キノコのテングタケ科(25種)、イグチ科(30種)、ベニタケ科 28種 が多いのも特長である。
しかし、近年は、アジサイ園の観光化や南斜面の広域樹木の伐採等で植栽環境に変化がでているなど先行きに心配がないわけではない。
今年も恒例により、福島会長の挨拶、富田 稔さんの当地域の気象の概況紹介、吉田 考造世話人の公園ガイド及び地元会員で当地に詳しい山口 精二郎さんからのキノコ発生情報に基づいて、数グループに別れてのキノコ採集となった。
採集されたキノコは、上記四名の鑑定人方々により同定された 前夜の激しい雷雨の影響で、キノコの傘のイボ、外被膜、内被膜等の特徴が流亡し、同定に大変苦慮されたと思われる。
同定記録は、下記に記載の通りである。ヒイロウラベニイロガワリ 3回目 、ニオイドクツルタケ 2回目 、ヒノキに着生のハナビラタケ 2004年以来 、トラシマチチタケ 、ネッタイアシグロタケ(初)等の採集が注目された。
尚、当日の鑑定人の方々から各々、次のコメント・話題提供がなされた。
福島 隆一鑑定人 ヒノキに発生したハナビラタケに注目。培養してみたい。
サマツモドキの幼菌と老菌を同時に観察すると傘色の多様に驚く。
ニクウチワタケの大量発生は、外観でボタンイボタケ様を呈することがある。
ハイイロカラチチタケの乳液と肉の見事な赤変の妙。
サケバタケの特有な粉キノコ臭?は、種の生き残り戦略か?
ネッタイアシグロタケの紹介 近年、熱帯性キノコといわれる柄の長いアシグロタケの仲間が各地で確認されている。
西田 誠之 鑑定人 珍菌ヒイロウラベニイロガワリの特長解説 近縁のバライロウラベニイロガワリ、ウラベニイロガワリ、アメリカウラベニイロ ガワリとの発生場所の違い、柄の網目の有無・部位の違い、樹種(広・針葉樹)の違い等に触れ解説。
従来のタマゴタケと異なるセイヨウタマゴタケの紹介 タマゴタケに比べ大型、柄に段だら模様がない、ツボの袋が大きいなど。
キニガイグチは苦味がなく、ニガイグチの仲間にしては珍しく、十分食用になる。美味しいきのこ。
7月10日ー11日に鎌北湖で行われた神奈川きのこの会の観察会に参加した。
周辺は殆どが檜等の植林地にも拘らず150種以上のきのこが採集された。
この例のように、杉や檜の植林地であっても、以前あった樹種やそれに着いた菌が生き残っていると多くのキノコが観察できることがある。
大舘 一夫 鑑定人 アセタケの外観観察による同定のポイント 胞子観察でも同定困難であるアセタケについての観察の手掛りについて、傘の被膜、繊維紋の特長。柄の基部の瘤の有無の観察についてシラゲアセタケvsカブラアセタケ、オオキヌハダトマヤタケvsキヌハダトマヤタケを例に解説。
テングタケの一部はニオイで同定できるものがある アケボノツルタケは麹臭。ニオイドクツルタケは薬(塩素)臭。
シロクロハツの解説 この仲間には、空気に触れると赤く変色しそのままのもの(ニセクロハツ)、さらに黒変にいたるもの(クロハツ、クロハツモドキ)があるが本菌はいきなり黒変するのが特長。
吉永 潔さん 新たに同定されたトラシマチチタケの解説 明確な輪紋のある傘を割断すると、環紋を垂直に延ばした縞模様が断面に浮かび上がる。虎の縞模様に擬え本種が命名された。
その他 福島 会長から8月7日小川元気プラザで開催される当会記念事業観察会への参加と協力要請。
大久保 彦世話人より9月25日~26日開催の宿泊観察会参加要請と締切日(9月15日迄)の確認がありました。
会員の皆様、奮ってのご参加、ご協力をお願いいたします。
本観察会は、お陰様で何とか天候にも恵まれ事故もなく無事に終了できました ことを申し添え報告と致します。
確認種LIST Ⅰ担子菌門 コウヤクタケ科 ):ケシワウロコタケ ウロコタケ科 ): クシノハシワタケ 、チャウロコタケ、モミジウロコタケ ニクハリタケ科 ): ニクハリタケ ハナビラタケ科 ):ハナビラタケ(ヒノキに着生)
ハナビラタケ 撮影 河野 茂樹 タコウキン科 広義 10) ウズラタケ 、クジラタケ、センベイタケ、 ツヤウチワタケ、 ニクウチワタケ、 ネッタイアシグロタケ ヒイロタケ、 ブドウタケ 、ベッコウタケ、 ホウロクタケ ヒラタケ科 ( ):ウスヒラタケ、トキイロヒラタケ ウスヒラタケ 撮影 富田 稔 トキイロヒラタケ 撮影 河野 茂樹 キシメジ科 ( ):コノハシメジ、サクラタケ、サマツモドキ サクラタケ 撮影 河野 茂樹 サマツモドキ 撮影 河野 茂樹 テングタケ科 ( ):アケボノドクツルタケ 青木仮称 、キリンタケ、 コテングタケモドキ、 シロオニタケ 、タマゴタケ、 ドクツルタケ、 コテングタケモドキ 撮影 河野 茂樹 シロオニタケ 撮影 河野 茂樹 ニオイドクツルタケ 青木仮称 フクロツルタケ 、ヘビキノコモドキ フクロツルタケ 撮影 河野 茂樹 ヘビキノコモドキ 撮影 富田 稔 ハラタケ科 ( ): オニタケ ヒトヨタケ科 ( ):ミヤマザラミノヒトヨタケ フウセンタケ科 ( ): イロガワリフウセンタケ 、オオキヌハダトマヤタケ、 コバヤシアセタケ、 シラゲアセタケ シラゲアセタケ 撮影 大館 一夫 イッポンシメジ科( ): コクサウラベニタケ ヒダハタケ科 ( ):サケバタケ イグチ科 ( ): アイゾメクロイグチ 、キアミアシイグチ、 キイロイグチ、 アイゾメクロイグチ 撮影 大館 一夫 アイゾメクロイグチ 撮影 富田 稔 キニガイグチ、クロアザアワタケ、 コガネヤマドリ、 ススケヤマドリタケ ヒイロウラベニイロガワリ、ブドウニガイグチ コガネヤマドリ 撮影 河野 茂樹 ヒイロウラベニイロガワリ 撮影 河野 茂樹 オニイグチ科 ( ): アヤメイグチ 、ミヤマベニイグチ ミヤマベニイグチ 撮影 河野 茂樹 ベニタケ科12 ): アイタケ アイバシロハツ アカアシボソチチタケ?
キチチタケ、クロハツ、 シロクロハツ 、チチタケ、 ツチカブリ、 トラシマチチタケ ハイイロカラチチタケ、 ヒロハウスズミチチタケ、ヤブレベニタケ アカフチベニタケ ツチグリ科 ( ):ツチグリ ヒメツチグリ科 ( ): エリマキツチグリ?
タマハジキ科 ( ): タマハジキタケ チャダイゴケ科 ( ):スジチャダイゴケ スッポンタケ科 ( ):コイヌノエフデ コイヌノエフデ 撮影 富田 稔 以上担子菌66*内今年新たに同定されたもの22種(青色) Ⅱ子嚢菌門 バッカクキン科 ( ):オサムシタケ オサムシタケ 撮影 河野 茂樹 以上子嚢菌1種 * 内今年新たに同定されたもの0種(青色)
本年度同定されたもの67種 内今年新たに同定されたもの2以上